空気を読まずにマンガを読む
あけましておめでとうございます
あけましておめでとうございます。
去年はマンガ感想ブログとして新たにしたにもかかわらず、その後仕事の量が増えて更新が予定よりかなり少なめになってしまいました(本当は週に2回は更新する予定だったのですけど……)。
今年も仕事の量次第で更新頻度が変わりそうですが、なるべく合間を見つけて書くようにしたいと思います。仕事の最中も休憩がてらマンガはしっかり買って読んでいるので。
で、去年の年末には、ものすごく欲しかったものの、金額の高さに迷っていたブツを買ってしまいました。それは『藤子・F・不二雄大全集』の第一期セット、全33巻をセットで。下が証拠。
ちなみに一月前、仕事用のノーパソを買ったのですが、それより高いという。でも、実際に届いた現在刊行分(『ドラえもん』4巻まで、『パーマン』4巻まで、『オバケのQ太郎』3巻まで、『エスパー魔美』2巻まで、『海の王子』1巻、『キテレツ大百科』全2巻、『バケルくん』全1巻)を見たら、買って良かったなあと。おそらくこれならセットで買わなくてもバラで買っていただろうし、それなら思い切ってFノートがついてくるセットでいいかなと。
とりあえず今年は仕事場と称するマンガの置き場所が出来たので、お金が続く限りは買いこみたいなと思う所存。
まあそんなこんなで新年の挨拶になっていませんが、今年もよろしくお願いいたします。
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完結した物語としてのマンガを評価する賞があってもよいのではないか
- 2009-12-14 (月)
- コラム・雑記

ここのところ毎年の名物になっている 「このマンガがすごい!」の2010年度版が出版されるようです。
■痛いニュース(ノ∀`):【漫画】 「このマンガがすごい!2010」 ランキング発表
見たところ、今年は週刊少年ジャンプのものが多く、それについて賛否両論あるようです。それは『バグマン』や『ONE PIECE』がふさわしくないというわけではなく(むしろ最近の『ONE PIECE』の面白さはかなりの人が納得するところでしょうし)、『このマンガがすごい!』という企画が、今まで知名度の低いマンガを発掘するというのがひとつの特徴だったのに対して、今年のはもともと知名度が高くなってしまった点にあるでしょう。でも『星守る犬』がランクインしているあたりは、その傾向が全くなくなったわけではないとは思いますが。
これは、どうやら集計方法が変わったというのもあるようです。
■参考:『このマンガがすごい!』がちょっと納得いかない件について: 漫棚通信ブログ版
とはいっても、ここのベスト10がおもしろくないか、というとそういうわけではなく、たしかに今まで知らなかった人は読んでも損をしないレベルのものが多いでしょう。ちなみに私は女性向け部門のほうで知らない作品があるので、そっちを読んでみたいなと。
ただ、『このマンガがすごい!』で選ばれているマンガは、一つ留意しておかなければいけないことがあります。いや、これに限ったことではなく、マンガに対して与えられる賞的なもの、すなわち「講談社漫画賞」や「小学館漫画賞」なども含めたものは、ほかの分野、たとえば小説や映画の賞とは大きく違った特徴があるのです。それは、殆どの場合その評価された作品が、まだ連載中、すなわち完結していないということ。
現在、マンガの発表形式には雑誌連載と読み切りがありますが、多くの場合注目される作品は連載です。それは日本においてのマンガは雑誌の連載が前提として発表されてきた、というところにあるでしょう。そのこと自体はそれがマンガを発展させてきた方法でもあるので、デメリット(作家の思い通りに話の長さを決められない等)もあれど、全否定すべきものではないでしょう。しかし、これに対して「賞」として評価を与えようとすると、ちょっとした問題が生じます。すなわちその作品が盛り上がっている時はどうしても作品の途中になってしまい、このようなマンガの賞を与えるのはあくまで「作品の途中までの評価」に対して与える形になってしまうということ。
映画の場合、その90分なり120分なりの枠内で終わらず続編になることは希です。したがって映画の賞では審査する人間はほぼ必ずその作品を最初から最後まで見ていることになります。小説の場合も、新聞連載などもありますが、殆どの場合はそれが単行本化して、一つの作品として完結してからの評価となっています(シリーズとして続く場合も、だいたいは一冊単位で完結していますね)。一冊を読むのにも1日かからないケースも多いでしょう。
しかしマンガの場合は前述のように、長いターンで話が展開されてゆきますので、どうしても話題となるときは完結した時ではなく、途中なのですよね。かといって連載が終了してからだと、話題としては収束してしまっている作品が多いので、賞としては盛り上がりませんので難しいのかなと。
たしかに、途中まででもおもしろい、ということは賞を受けるに十分なのかもしれません。ただ、その賞を取った作品がそのあと完結まで誰もが賞を受けたことに納得するデキである、ということは思わないのですよね。
たとえば第21回講談社漫画賞一般部門を受賞した『ドラゴンヘッド』という作品があります。映画化もされましたね。
私の記憶ではこれが受賞したのはおそらく序盤のトンネルシーン前後くらいかと思います。しかしこの作品、最終回が賛否両論となります。否定的見解を持つ人の中には、賞は違うだろ、と思う人もいるのではないかと。ちなみに私は消化不良な面はあれど、一つの作品の表現としてああいう終わり方もありだとは思います。ただ、多くの人にとってその賞を受賞した時と完結した時では違う印象を持つでしょうね(ちなみにこの賞と受賞後の話については『タカヤ!』を思い出す人もいるかもしれませんが、あれは読み切りに与えられた賞の連載ってことで、ちょっと話が違うかな)。
たしかに「連載中のマンガに対して賞を与える」というのも、その作品への期待値も籠めるとしてありだとは思います。ただ、どうもそれに偏りすぎているのではないか、と思えるのですよね。手塚治虫文化賞は完結した作品にも贈られることがありますが、連載した作品も混じることが多いですし。ただ、連載中の評価もいいですが、「完結して全てを見た時にどうだったか」というものの評価は、後世に対して必要ではないでしょうか。
で、今日書いたことは2年前に書いたことを思い出して、ちょっと膨らませてみたものなのですよね。
そこで、『毎年「今年一年間に連載が終了した作品を対象とした(読み切りも可)作品だけの投票」とかすると、面白いかもなと思います。』ということを書いたのですが、今でもそれはあったら面白いのではないかと考えます。そして連載が終わったから出来る、一気にまとめ読みという贅沢もできますしね。本当はこのブログの企画としてやりたいのですけど、とても時間がないのでどなたかやってくれませんかね。もしくは『このマンガがすごい!』みたいな出版企画としてとか。どっちにしてもその暁には参加させていただけると嬉しかったりします(相変わらず他力本願)。
ちなみに個人的に注目は、来年か再来年あたりには完結しそうな『鋼の錬金術師』。これが最後にどのような終わり方をして、全体を見たときにどのような印象を受けることとなるのか、今から期待しています。あとはこの前書いた『3月のライオン』もかな。でもこっちはしばらく終わりそうにないですが、これも『ハチミツとクローバー』みたいに完結した時読み直して素晴らしい作品になってほしいなと思います。
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秋葉原駅前にバスケットコートがあった時代の青春~『トランジスタティーセット』2巻
- 2009-12-08 (火)
- マンガ感想(その他)

引き続き最近読んだものから。
里好『トランジスタティーセット ~電気街路図~』2巻読了。
ちなみに帯で隠れている表紙の片隅に、同じ作者の『うぃずりず』のりずがいたりする。そういえばこちらの舞台も浅草とか下町だから、そんな秋葉原から遠くないんだよなあ。
で、前にも紹介しましたが、このマンガは秋葉原が舞台。ただ、最近のマンガに多い萌えの町としてのみではなく、部品街など歴史のある土地としての秋葉原を舞台にしたマンガとなっています。「アキハバラ」ではなく「千代田区外神田の秋葉原」という感じ。ただ、萌えを否定しているわけではなく、新旧の両方が共存するキャパシティの広い町として描かれています。
■萌えの街とは違う側面も持つ秋葉原を描いた『トランジスタティーセット』 – 空気を読まずにマンガを読む
さて、今回の主な見所は、ヒロイン(というか主人公)すずと同じ高専に通う女子、キリコ(強引系)とエミ太(美形男性に見えるのが悩みの長身女の子)、みどりの正体の伏線を臭わせるものなどがあります。ちなみに前巻のカバーを外したところにもあった、すずの工作臭(ハンダ臭)フェチっぷりがなかなか。
まあ技術室のような臭いが嫌いじゃない私はわからんでもない気がするけど。そいや玄人志向のパーツでハンダ付けするPCノイズカットを作って以来、しばらくハンダごて使ってないなあ……とは個人的な話。
このあたりシリアス(っぽい展開)とギャグが交互に入っている感じです。で、前回は戦前、戦中の秋葉原の話がシリアス系の話としてありましたが、今回も過去の話、それもすずの中学時代で、すずの初恋らしきエピソードが入っています。それはかつて秋葉原の駅前にあったバスケットコートでのこと。たしか10年前の再開発前は現在ビルが立ち並ぶ辺りは駐車場で(その前は青果市場。今もあのへんに立ち並ぶ千代田海草とか古い食堂はその名残り)、その隙間にバスケットコートがあり、遊び場になっていたのですね。当時はまだ萌えというよりPCパーツなどの部品の町でしたが、それを買いに行っていたので、そこの前は必ず通りました。ちなみにその駅側正面には、『孤独のグルメ』にもちょっとだけ載っているラーメン屋もあったりしました。当時は秋葉原で食う場所はかなり限られていたので、そこでも何回も食ったなあ。
ちなみにバスケットコートがあったのは正確にはもっと前なので、現在高校生の設定のすずからは若干時間のずれが生じます。
物語は、すずが中学時代に親ともめて金髪だった時代に、秋葉原のコートで会った男に惹かれてゆき、そして今に至る様子。しかしこの描写は特に明示的なラブラブとか萌えではないのですけど、なんだかいい雰囲気なのですよね。まるでアキバにバスケットコートがあった時代っぽい青春というか。
ちなみに部品街の時代からはちょっと早い私としては、このバスケットコートの時代が一番秋葉原として印象に残っている時代でしたので、そういう面も含めて読み入ることが出来ました。
最近の秋葉原しか知らない人でも、この作品を読んでから実際に行くと視点が多少変わると思いますのでおすすめ。また、電子工作を思い出した人は秋月電子なりラジオデパートを覗くのもいいかもしれません。学研の『科学』が休刊になってしまう時代だからこそ。
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羽海野チカ『3月のライオン』を読み直すことで発見するもの
- 2009-12-06 (日)
- マンガ感想(青年向け)

ちょいと、というかかなり忙しくて、だいぶ間が開いてしまいました。ちなみに忙しかった理由は仕事がメイン、あと仕事場にすべく部屋を借りたのでそれの手配に。ちなみに後者は仕事場よりもマンガ置き場としての重要性の方が高くなるかもしれません。とりあえずこれで当分は場所を気にせずマンガが買えるのでいい感じ(まあまたなんだかすぐに埋まりそうな予感もしますがそれはそれ)。
で、それはさておき今日からはしばらくその忙しかった期間中に読んでいたもののことになるので、若干古めの要素も入るかもしれませんが、ご了承くださいませ。
まず、『3月のライオン』の3巻を購読。
これは『ヤングアニマル』で連載(不定期連載)されている、『ハチミツとクローバー』の海羽野チカ先生のマンガで、題材は将棋。ただ既存の将棋系マンガのようにその勝負に重きが置かれているというよりは、子供時代からいろいろと過酷なことが降りかかった環境よりプロ棋士となった17歳主人公の少年、桐山零の周辺が物語の主な要素となっています。ですが棋譜もプロ棋士の先崎学氏が担当しているので投げやりではなく本格的です。ちなみに『ハチミツとクローバー』からは全然別の路線のように見えますが、あっちでも真山と先生が将棋にハマって対戦時計を買おうとしているマンガがありましたので、微妙に繋がっているかも。
さて、このマンガ実は1巻をはじめて読んだときの印象は、「かなり暗いマンガだなあ」という印象だったのですよね。それは主人公、零の過去、そして現在に起きた暗い出来事(特に人間関係的な面)での描写が多かったことです。とりわけ10話の『カッコーの巣の上で』(同名の映画あり)は、その幸福とは言えない生い立ちから将棋の世界に入った描写がなされ、かなり気分がローになります。ただ、最初のそんな状態から、話が進む度に3姉妹との交流などでそれが変わってきたり、はたまた義姉の登場や勝負の世界での出来事でそれが押し戻されそうになったりといろいろ複雑に変化する心理描写が見られます。
この3巻では、そんな零の周りとの関係を隔絶するような態度から、徐々に変化が見えてくる、というところがかなり注目するものです。
そして、この巻を読み終わった後、私は本棚にあった(正確には置き場がなく、床に積んであって下の方にあったのですが)1巻と2巻を持ち出して、最初から読み直しました。というのは、この3巻では徐々に明らかになったことがあり(2巻でもありましたが)、それを踏まえて読んでみたくなったため。例えば家庭的な三姉妹長女のあかりが銀座の飲み屋で働いている理由、何故二階堂が零にかかわってくるのか等。そしてそれが判明した時点で読み直すと、それまでとっていた行動において、また新しい発見があるのですよね。特に義姉と零の関係は、1巻だけ読んだときには嫌われていて零も苦手なように思え、物語的には意地悪な悪役的立ち位置だと思わされていたものなのに、それがだんだん様子が変わってきているように思えます。
考えてみると『ハチミツとクローバー』でも、最初のうちはぼんやりとしか表現されていなかったけど、話が進むうちにだんたんと明らかになってきて、読者を驚かせる展開っていうのがかなりありましたね。例としては森田が金を稼ぐ理由やその収入手段や、先生達の過去に起ったことなどがそうですね。特に最初の方から先生がよくしていた手を広げてそれを見る動作が、とある非常に印象的なシーンとして出てきた時には衝撃を受けました(ネタバレなので詳細は伏せておきます)。
『ハチミツトクローバー』含め羽海野チカ先生のうまさは心理描写などいろいろあると思いますが、そのひとつにこういった展開のさせ方が非常に惹かれるところもあると思うのです。
ただ、まだ今まで提示されたもので判明していないものもあります。例えば義姉と過去に何があったのかということや、棋士の後藤を憎む理由など(おそらく今の時点では義姉がらみだと推測できますが)。
ちなみに今、一番気にかかっているのは、友人の棋士、二階堂の今後。どうも彼は他の将棋マンガでもよくモデルにされる村山聖九段がモデルみたいなのですが、彼は29の若さで亡くなります。そして他のマンガでもなんだか急死するようなものがあったような感じなので、本編で病弱な二階堂もなんだかそうならないかなあと若干心配なのですな。これはハチクロでもけっこうメインキャラではないですが死人やら怪我人が出ていたことも影響しているかもしれません。
どのマンガでもそうかもしれませんが、特にこの『3月のライオン』は、買ったらその度に新たな発見を探すために最初から読み直すことをおすすめしたいと思います。もしくは『ヤングアニマル』読者なら、その度に目を通してもよいかもしれません。おそらく4巻が出たら私もそうすると思います。
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マンガ画像の『引用』について書いてみる
- 2009-10-30 (金)
- コラム・雑記

このようなエントリーがありました。
■出版社的にはキャプチャ画像付き漫画感想ってOKなんですか? | Half Moon Diary
さて、このブログでもマンガの画像がついています。それについては右上の「引用について」でちょいと書いておいたのですが、この機会にもう少し掘り下げて「引用」のことを書いておく必要があると思ったので、エントリーにして起こしました。ただ、これは私の個人の考えも含みまして、誰にでも正しいと言えるものではない可能性もありますのでご了承ください。
著作権法の「引用」はマンガにも適用される
私はこのブログにおいて、マンガのコマを「引用」しています。「引用」とはgoo辞書では『古人の言や他人の文章、また他人の説や事例などを自分の文章の中に引いて説明に用いること』とありまして、ここではマンガのをこのブログに用いることを意味します。
さて、この「引用」、著作権法第32条における『公表された著作物は、引用して利用することができる。 』という条文で定められています。この法律の通り、「著作物」は「引用」することが出来るのです。
文章の創作物では、学術書などで他の人の本や論文が一部そのまま引っ張られてきているのがよくありますが、あれも「引用」であり、著作権法上認められているものになります。
これは文書のみならず、すでにマンガでもこの「引用」についての判例が出ています。
ちなみに判決後も、出版においてはコマ引用の際は許可を取るというのは慣例となっているようですが、これは一度発行したらたとえ引用に当たらない法的な問題があったとしても訂正(回収)が難しい出版という性質上、念のためという意味で、まあ不自然ではないかな、という気がします。
「引用」の要件
ただ、ここで「じゃあ『引用』だからマンガ全部取り込んで載せてもいいんだ」と思ったら、それは大間違いです。この「引用」というものは定義があり、それを外れると「転載」となってしまい、著作権法で認められている範囲外のものとなります。
では、引用の要件とは何か。さきほどの著作権法32条1項には以下のように定められています。
第三十二条1
公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
上の通り、「引用」となるためには、「公表された著作物」が、「公正な慣行に合致」して、「報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれる」必要があるのです。
また、必要性のないものは引用と認められません。
さらに、「出所の明示」をすることが必要となります。
第四十八条
次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。
一 第三十二条、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項、第三十七条第一項、第四十二条又は第四十七条の規定により著作物を複製する場合
(以下略)
■条文:社団法人 著作権情報センター
さらに判例ではこれ以外にも「引用」になるにあたって必要な要件があります。それは「引用する側とされる側が明瞭に区別されていること(明瞭区別性)」と、「引用する側が主、引用される側が従の関係にあること(主従関係)」。
明瞭区別性とは、そのもってきたものと自分の創作が区別されていなければいけないというもの。例えばコラなどは引用にあたらず同一性保持権の侵害となります。
また、自分が創作している文章がメインで、引用はそれを補う従でないといけないというのも規定されています。マンガの場合、画像を載せるのがメインで、それにコメントをつける形になってはいけないということですね。そうじゃないと全ページ載せてからコメントをちょっとつけて、実際は転載なのに「これは引用だ」なんて言えてしまうようになりますから。ただ、これも文章と画像の分量ではなく、それぞれの場合で判断されるようです。
■参考:» 正しく引用するためには-1.明瞭区別性と主従関係 | Knotworking.biz~ベンチャー・ITで働く人のための知財・労働法等の法務情報、ビジネス情報サイト
まとめると、「引用」となるに必要な要件は
・公表された著作物であること
・公正な慣行に合致していること
・報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれていること
・出所の明示をすること
・引用する側とされる側が明瞭に区別されていること(明瞭区別性)
・引用する側が主、引用される側が従の関係にあること(主従関係)
・引用する「必然性」があること
を満たしているものとなります。
■参考:引用 – Wikipedia
■参考» 「引用」と「転載」の違いについて | Knotworking.biz~ベンチャー・ITで働く人のための知財・労働法等の法務情報、ビジネス情報サイト
このブログのスタンス
以上のことをふまえて、私の場合どうしているかを語ります。
このブログでは画像を引用する際、必要なもののみに留め、文書作成に関して無用な引用(例えばそのマンガの全ページアップロードなど)はしないようにしています。だいたいはひとコマ、文章的に必要のある場合は複数といった感じですかね。
あと、画像の下に引用元となるマンガ名と作者、それにページが書いてあります。これも上に書いてある「引用元の明示」をした形ですね。まあこれについては下で直接明示しなくても本文からそれが何からの引用かわかれば成り立つ可能性もありますが、やはり明示したほうがいいということで。ちなみにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、画像にカーソルを当てたときポップアップする文章(alt文)には、その明示+出版社名も書いてあったりします。
それと厳密に言えば、Amazonアソシエイトの表紙画像も著作物に該当するのですが、この場合Amazonアソシエイトの性質上、明らかにWebサイトで掲載されるようなものとなっているので、そのまま使っています(まあリンクすればそのまま引用元がわかるのもありますし)。
余談ですが、Amazonを貼るのは私にアフィリエイト収入がある、というだけではなくて、「画像を引用する対価を出版に還元できる仕様にしたい」という気持ちもあったりするのですね。まあそうすれば引用しても著作権者に疎まれない風潮になるかもしれませんし。
ただし、何も誰かへの嫌がらせでブログをやっているわけではないので、著作権者が嫌がるのにそこまで引用をする必要もないかなと思っているので、よほどのことがない限りそれについて削除要請があれば消すといった感じにしてあります(私は今までひとつもありませんが)。著作権者によっては、引用の要件を満たしていない、と思う人もいるかもしれませんし。
これらは私の考えた結果やっている方法で、完全に正しいとは限りません(著作権法というのは裁量の幅が広く、その当事者、その場合でかなり違ったりするのもあるので)。ただ、自分なりに「引用」に当てはまるように心がけています。他人に同じ方法を勧めることは出来ませんが、画像を載せる場合は上の「引用」要件を満たすようにやったほうがよいのではないかと思います。
というわけで、「引用」について一通り書いてきました。ちなみにネット上で多い丸ごと転載とか改編などについても語ろうと思ったのですが、それを語り出すととんでもなく長くなるので(二次創作とかの問題まで絡んできて、おそらくいくつもエントリー立てることになってしまう)、それは別の機会とします。
ともかく、合法な「引用」であっても、著作権物を拝借しているので、引用元に敬意を示して、気を遣うことは必要と思います。故に「宣伝してやってるんだから」的な考えは捨てた方がよいでしょう。けっこう引用の範囲から外れるものでも、著作権者の「黙認」という厚意で見逃されていることは、ネット上では多いと思うので。それを捨てたら、また「著作権の非親告罪化」みたいなものが出てくるとも限りませんから。
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二次創作の壁を超えた『にょろーん ちゅるやさん』という存在
- 2009-09-11 (金)
- マンガ感想(その他)

ちゅるやさんの単行本限定版、『にょろーん ちゅるやさん めがっさ限定版』が発売されました。
既に有名なのでご存じの方も多いでしょうが、『にょろーん ちゅるやさん』はもともとライトノベルやアニメなどで人気の出ている『涼宮ハルヒの憂鬱』に出てくるキャラ、鶴屋さんをディフォルメ化したキャラ達が活躍(?)するコミカルシュールな4コマです。そしてもともと雑誌連載ではなく、作者のえれっと氏が自身のホームページで発表したキャライラスト及び4コマがもとになっています。その後まとめた同人誌なども出ました。そして、そのかわいさから人気に火がつき、あちこちに広まり、2ちゃんねるなどでAAにもなりました(ちなみにそのAAネタもマンガにあったりします)。
そこから本来の『涼宮ハルヒの憂鬱』の版権元である角川書店の雑誌で連載を始めることとなり、YouTube放映のアニメにもなって、この単行本に繋がります。
で、私も購入。
本に加えて限定版のミニ冊子と写真には写っていませんがねんどろいど(箱の中に入ってます。ちなみに箱がスモチなのはなかなか。限定版の本には、蒼樹うめさん等がゲストで1ページ書いている同人誌的な感じ。あと同人誌時代のひぐらしネタも収録してあります。
そして本誌のほうはオールカラーで、雑誌連載Sideと、お蔵出しSide(同人誌などで描かれたもの)が両方収録されています(ほんのちょっとだけ変更箇所有り)。あと、『涼宮ハルヒの憂鬱』原作者谷川流さんといとうのいぢさんのコメントもあり。
しかし、考えてみればこの単行本ってかなりの変わったものですよね。上で説明しましたが、2次創作がもとなのに、その版権元に連載され、そして単行本が出ると。おそらくこのパターンは史上初ではないでしょうか。
今までも、同人誌から雑誌連載になり単行本やアニメ化になった例はあります。最近では相田裕さんの『GUNSLINGER GIRL』、高野真之さんの『BLOOD ALONE』等がありますしね。ちなみにアニメでも『灰羽連盟や『ガドガード』など同人誌での企画がもとになっているものもあります。
あと、ネット上からも一次創作のWebコミックからでは『ヘタリア』、『おたくの娘さん』などが商業作品となっています。
しかし、二次創作から生まれたキャラクターが、このような形で版権元公認で出るというのは、かつてないパターンではないでしょうか。まあ、ちゅるやさんの場合はかなり要素が重なって偶然的なところもあります。例えばえれっとさんのキャラが元からはかなりディフォルメされて別キャラになっていた、キャラが魅力的でネットなどですでに人気が出ていた、角川書店にも一次作品をディフォルメした作品はいくつもあった(『ハルヒちゃん』『犬ガンダム』、古くはロードス島でもあったな)、えれっとさんはもともとラノベイラストなどを描くプロのイラストレータであった、角川書店が二次創作に許容的等々。
これらの条件を満たした結果、このような形になったのかもしれません。しかし、それでも独自の二次創作から始まったものが、このような元の公認系になるというのはけっこう革新的なことであると思うのですよね。だけどその結果、広い範囲で面白さが広がったとするならば、それはよかったのかなと思うのです。
今、ネット上ではpixivなど多数の一次創作キャラのとか、このような二次創作からも独自の切り口による作品が生まれています。今までは法的な問題上趣味の範囲内で止まっていたそのような作品の中から、これから先『にょろーん ちゅるやさん』のように広がりを持ってくる作品は出てくるのでしょうか。
様々な要因が絡みあうので難しいでしょうが、出来れば「黙認」から一歩進んで、創作者と版権元、両方が幸せになる仕組みが出来れば、創作に新しい道が開けるかもしれません。
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約10年前の同人界と萌え系4コマのわりと深い関係
- 2009-08-16 (日)
- コラム・雑記

14日から17日まではコミケでした。私も時間があったので久しぶりに2日目、3日目に行ってきました。ここ数年は午後からちょこっと行ってあちこち回りつつ、数冊本を買って帰るのがパターンだったのですが、今回はちょいと勢いがついていたせいか買いすぎのような。まあそれでも購買列には10分以上並ばないところだけを狙ったのですが。まあそれの話はあとでここかはてなのどっちかに書くとして、今日はちょいとその関連の話で。
私はまとめて読める単行本の方が好きなので多くのマンガについては単行本初見になるのですが、もちろん雑誌で買っているものもあります。その中でまんがタイムきらら系は抑えているのですが、それにはいくつか理由があります。もちろんそのマンガがおもしろいとか、手軽に読めるといった理由もあります。
■関連:萌え系4コママンガ誌のよいと思う点をいろいろ挙げてみる – 空気を読まずにマンガを読む
だけどもうひとつ、買っている理由というか、きらら系ほか萌え系4コマを読むようになったという理由があります。それは、現在萌え系4コマの作者として活躍している人が、私が同人誌を良く買っていた人や同じジャンルで名前を知っていた人が多いため。
私が同人即売会に参加しだしたのは約10年前、ちょうどPC-98からDOS/V機(Windows機)への移行の時期でした。その当時、PCゲームではエロゲブランドLeafの『雫』『痕』『ToHeart』がブームとなり、続いてTacticsの『ONE~輝く季節へ』、そしてKeyの『Kanon』などで盛り上がった時期でもあります。そしてこの時代は男性向け同人のジャンルにおいても、このLeaf、Key系が爆発的人気となった時期でもありました。毎週のようにキャラごとのオンリー即売会が行われ、コミケでも一時期は3日目東館123の大半がLeaf・Key系で埋まりそうなくらいになったことというのもあります。
ちなみに当時はネットの普及期でもあったたために、こちらのほうでも二次創作ブームが起こっていました。
■参考:Leaf・Keyのゲームがインターネット上で盛り上がりを見せた奇跡的な時代 – 空気を読まない中杜カズサ
そして、この時期にこれらのジャンルで活動を始めたマンガ描きの人というのも大勢存在します。当然ですがそれらの大半は素人でありました。しかしそれから10年近くが過ぎてみると、ここで活動していた人がプロのマンガ家になっているというケースが目立つのですよね。
もちろん同人をプロになる前(そして今も)活動の場としていた人というのは、これら以前、そして他のジャンルでもありました。古くはうたたねひろゆきさんやCLAMPさん、それから時代を進めれば角川書店のファンタジー系雑誌に連載を持っている人たちに多かったですね。しかしそれはどちらかというと、プロの中に同人出身者が混じっているという感じでした(さすがに80年代の同人はよく知らないので、あくまで個人的印象になりますけど)。
しかし、現在の萌え系4コマの連載陣は、こういった同人出身者、もしくはマンガ家や原画家、イラストレーターと平行して同人活動をしていたという、同人にかかわりの強い人が多いのですよね。しかも萌え系4コマがだいたい2000年代前半から出てきたジャンルなので、その当時、もしくはちょっと前から活動していた世代となると、ちょうど私が同人誌をよく買っていた時期と重なると。で、ジャンルはさっき書いたようにLeaf・Key系が盛んだったのでそれの系統。具体的には『ひだまりスケッチ』の蒼樹うめさん、『ざっちゃん』のくろがねぎんさん、『きつねさんに化かされたい』の桑原ひひひさん、『あにけん』の高野ういさん、『パンなキッス』の華原七海さん、『ちびでびっ!』の寺本薫さん等々非常に大勢(たぶん全員書いたらきりがなくなる)。もしくは同時並行的に人気だったラグナロクオンライン系(『ラジオでGO!』のなぐも。さん等)、またはコミティアなどでオリジナルで活動していた人も多いですね(もっともこっちは4コマより、『ガンスリンガーガール』の相田裕さんとか『BLOOD ALONE』の高野真之さん、『エマ』の森薫さんなどストーリーものの連載が多いような)。
で、そういう時代に見た人が今一般誌で描いていると、やはり個人的には注目がいってしまい、1話目から読もうという気になってしまうのですよね。故にそういった人が多く描いていた萌え系4コマに注目がいったわけです。だけどマイナーだったこのジャンルも最近だんだん存在が大きくなり、いまやアニメ化も行われるようになるとなかなか時代の変化を感じます(でももうあれから10年近く経ってるのか……)。
余談ですが、今ゲーム音楽の作曲をしている人や、ゲームの主題歌を歌っている人の中にも、その時代の同人出身だという人はわりといます。こう考えると、同人が人材育成の場となっている側面は昔よりさらに大きくなっているのでしょう。
現在、同人では東方Projectがブームのようですが、そこで活動している人間が、数年後にはマンガ家や他の分野で活動している人が大勢出ているかもしれません。
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